Business&Marketing Column
Web解析
GA4
セグメント
2022.10.15
今回のコラムは、GA4によるWeb解析(探索レポート)考察の第3回目です。
従来のGoogleAnalytics(UA)のカスタムレポートでは専用の設定ができなかった*「セグメント」が、GA4の探索レポートでは、バッチリ使用できるようになっています。今回は、そのセグメント機能を用いた解析の手法について、少し触れてみたいと思います。
* デフォルト(既定)レポートと共通のセグメントを適用することは可能です。
1. GoogleAnalyticsのセグメントとは?
最初は、一応、セグメント機能のおさらいです。
GoogleAnalytics(UA)のヘルプでは、「セグメントはアナリティクスのデータの一部です。...」と少々、分かりづらい説明から始まっていますが...基本的には、対象となるデータ全体ではなく、“特定の固まり”ごとに“データ”を分割して(比較)分析する機能が「セグメント」です。
例えば、UAでは、「新規ユーザー」「直帰セッション」と言ったセグメントが予めいくつか用意されていました。
...UAの場合は、デフォルト(既定)レポートにすぐに適用できる形で用意されていましたので、活用されていた方も多いと思いますが...これらセグメントを用いることで、ユーザー全体ではなく「新規ユーザー」という“ユーザー(データ)の固まりにフォーカス”した分析が、“多様な角度から(⇒ レポート横断的に)”可能になっています。
なお、念のため補足として、少々混乱しやすい用語に“フィルタ”があります。
セグメントに対して、フィルタは、該当の“レポート(画面)のみ”に適用する抽出機能と覚えておくのが、多少なりとも分かりやすいのでは?と個人的には思ったりしています。(...厳密な意味ではありません。悪しからず。)
2. GA4探索におけるセグメント機能活用
一方で、GA4に移行すると、セグメント機能を利用する場合は、「探索」メニューを使いこなす必要があります。
...GA4の場合は、「レポート」メニューに用意されている既定のレポートに、セグメントが適用できません。(代わりに、「比較」機能というものは用意されています。)
...さらに付け加えると、「探索」は、すべてのレポートを自ら創作していくメニューになっていますので、予め用意された(デフォルト)のセグメントというものもありません。
ということで、GA4では、次の3つの絞込み(分割)軸を用いて、セグメント作りから自分で行って行くことになります。。。
① ユーザー軸(ユーザー セグメント)
② セッション軸(セッション セグメント)
③ イベント軸(イベント セグメント)
では、手始めに、どの絞込み軸を用いてセグメントを作成していくのが良いのでしょうか?
...各企業様のWebサイトの戦略(目的・役割)と運用スタイルに応じて、適切なWeb解析手法を試行錯誤しながら組み上げて行くというのが、GA4での解析スタイル。もちろん、正解はありませんが...
(前2回のコラムでも述べたように...)ココでもGA4でのWeb行動解析の本質「ユーザ軸」を基軸として、セグメントの機能活用を始めてみるのが良いのでは?と個人的には捉えています。
3. ユーザーセグメントを用いた探索レポート[自由形式(+ライフタイム)]
ということで、上の表が、ユーザーセグメントを用いた「自由形式」のレポート例です。ココでは、ユーザーを、次の2つのセグメントに分割し比較しています。
① 目的のコンバージョンに到達したユーザー
② 目的のコンバージョンにまだ未到達のユーザー
分析に用いる絞込み(分割)軸を決めたら、次は、絞込み条件の設定です。もちろん、ココでも様々な条件設定が可能ですので、いろいろと試していただくのが良いかと思いますが...
もし、ユーザーセグメントの条件設定に迷われたら、一番最初は、オーソドックスに(UAでも予め用意されていた)このコンバージョン有無を条件とした設定をおススメしています。
今や、目標に対するWebサイト上のGoal(≒コンバージョン)を設定されていないWebサイトもごく少数かと思いますので、Goalに達したユーザー⇔達していないユーザーの相違を俯瞰してみると、いろいろな発見&気づきがあると思います。
続いての参考例は、同じ表形式ではありますが、「ユーザーのライフタイム」に適用した例です。
...こちらのレポート手法を用いれば、より中長期的な、そしてLTVに直結するユーザー像の違いが鮮明になってくるのでは?と、当社でも積極的な活用促進を模索しています。
4. ユーザーセグメントを用いた探索レポート[プロセスデータ/コホートデータ]
レポート横断的に適用できるセグメントは、同じ表形式だけではなく、他の表現(ビジュアライゼーション)形式のレポートにも、もちろん設定が可能です。
例えば、次のビジュアライゼーションは「目標到達プロセスデータ探索」に設定したレポート例です。
...この表現手法を用いれば、イベントとステップの条件設定次第で、両ユーザーのWeb行動上の相違点が、より自社Webサイトのポイントを捉えた形で見える化できると思います。
最後のレポート例は、「コホートデータ探索」に設定してみた例です。
...こちらのレポートでは、Webサイトへのリピート動向をベースに、直近の、両ユーザーの獲得状況と、そして、時間軸を意識した顧客転換施策への展開などに、利用価値があると思われます。
以上のように、GA4では...探索メニューを使いこなすことを前提に...セグメント機能の適用・活用範囲が拡大しています。
と同時に、この機能を活かせるかどうか?で、Web解析→目的達成への時間をグッと短縮できる可能性を秘めた強力なツールになっていると認識していますので...まだ、この機能をお試しになっていない皆さまは、まずは、最初の一歩を進めてみてはいかがでしょうか?
なお、当社では、GA4を用いた解析&レポーティングなどのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。
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