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[GA4実践]Web解析レポートの指標・ディメンション・セグメントなど

Web解析

GA4

探索レポート

2023.12.25

[GA4実践]Web解析レポートの指標・ディメンション・セグメントほか<イメージ画像>

GoogleAnalyticsもユニバーサルアナリティクス(UA)のデータ処理が停止され、6ヵ月近くが過ぎました。

皆さまが作成するWeb解析レポートも、GA4のデータを用いたものに、本格的に切り替わってきた頃と思います。

当コラムでも、前回GA4関連の記事を掲載してから丸1年。

GA4の機能、ディメンション・指標なども適宜アップデートされておりますので...このタイミングで改めて、GA4の探索メニューLookerStudioを用いたWeb解析レポートに関して、当社での実践例などをもとに参考コラムを書いてみたいと思います。

1. 基本となる時系列のモニタリング指標

2022年の「[GA4探索]セッション指標→ユーザー指標とディメンション」のコラムに記載のとおり、UAでは、おおよそ同一の指標が並ぶデフォルトのレポートが多数用意されていました。

一方、GA4では、レポートメニューで確認できるデフォルトのレポート数は減少し、また、「ユーザー獲得」「トラフィック獲得」などそれぞれのメニューで、異なる指標が採用されています。

目的ごとのレポート(指標)の最適化という点では正しいのですが...モニタリングする指標が多くなればなるほど、データを確認し、それを解釈する方は大変になってきます。

そこで、当社では、頻繁にモニタリングする(月次、週次などの)時系列レポートなどは、予め各レポート共通の指標を定めて、基本となるレポートを作成するスタイルを採っています。

ちなみに、当社の最もベーシックなレポートは、次の指標をよく使用しています。


ベーシックなモニタリング指標(参考例)
アクティブユーザー数
新規ユーザー数
セッション
エンゲージメント率
セッションあたりのページビュー数
ユーザーあたりのビュー
セッションあたりの平均エンゲージメント時間
コンバージョン
セッションのコンバージョン率
ユーザーコンバージョン率

* よく使用するパターン例です。Webサイトの目的・課題に応じて、必要な指標・ディメンション等の取捨選択をしています。(以下同じ)

当初は、上記コラムのように、「ユーザー指標」「セッション指標」のレポートをそれぞれ作成していたりもしましたが...現在は、ベーシックなレポートは、一つのビジュアライゼーションに収まる範囲でシンプルに作成し...個別に注視すべきポイントなどがあれば、その点に絞ったレポートを別途作成するスタイルを基本にしています。

なお、GA4登場初期に話題になった「直帰率(廃止→その後、定義を変更して復活)」に関しては、(特に、UAに慣れている方に...)誤解を生じさせる可能性があるため、素直に「エンゲージメント率」の指標を採用しています。

2. モニタリング指標と組み合わせるディメンション

次に、前項のモニタリングレポートに使用するディメンションに関してです。

当社では、「年」+「月/週」のみを使用した最もオーソドックスなレポートの他に...ポイントとなる個別のユーザー行動(属性)にフォーカスを当てたモニタリングするレポートも通常作成しています。

その際の使用頻度が高いディメンションが、次に挙げるようなものです。


使用頻度の多いディメンション(参考例)
新規/既存
デバイスカテゴリ
最初のユーザーのデフォルトチャネルグループ
  / セッションのデフォルトチャネルグループ
(主要な)ランディングページ
性別 / 年齢 など

上記に関しては、皆さまもよく使用されている項目が多いのではないかと思います。

なお、デフォルトチャネルグループ関連の2つのディメンションに関しては、通常一方のみをベーシックなレポートに使用しています。

確認側の負荷軽減、混同回避などに加えて...まだ、この2つのディメンションで大きく値が乖離した例を見たことがないのも、その理由の一つです。(あくまで、当社の今までの経験値ですが...)

その際、当社での優先は「最初のユーザーのデフォルトチャネルグループ」です。...ユーザー行動の起点により迫る情報を重視しているためです。

3. GA4→LookerStudio連携によるモニタリングレポート

続いて、レポートの関係者への共有に関して...この点は、GA4のビジュアライゼーション&共有機能が非常に限定的なため...モニタリングレポートの共有には、LookerStudioを利用することが、当社でもよくあるパターンになっています。

もちろん、レポート作成側としても、GA4からデータを都度ダウンロードし、レポートを作成する手間が省け、より本来の解析業務に時間を当てられることも大きなメリットです。

<LookerStudioのレポート(参考例)>

LookerStudoのレポート(参考例)

GA4→LookerStudio連携によるレポート作成では、様々なグラフ(ビジュアライゼーション)パターンの選択が可能です。

一方で、当社がモニタリングレポートに使用しているものは、次の2種類の場合がほとんどです。


使用しているLookerStudioのグラフ(参考例)
スコアカード
時系列グラフ

この点、過去、UA→Googleデータポータル連携の際は、もっと包括的なレポーティングに活用しており、必然的に、多様なビジュアライゼーションを用いていましたが...2022年12月の「[GA4解説]Looker Studio(旧:データポータル)連携とその制約」のコラムで記載のとおり、現状、直接(無料)連携の範囲では...

  • GA4 APIのリクエスト上限
  • GA4のセグメントが使用できない

などの制約が大きいため、現在は、シンプルなモニタリングレポートのみにLookerStudioを使用しているためです。(BigQueryを契約しているクライアントなどは除く)

4. セグメントを用いたWeb解析レポート

ここまでのベーシックなモニタリングレポートとは異なり、GA4(探索メニュー)の機能と狙いを活かしたWeb解析には、セグメントの活用が不可欠です。

GA4の探索メニューでは、「ユーザーセグメント」「セッションセグメント」「イベントセグメント」の3つの軸でカスタムセグメントが作成でき、そのうち、一般的に使用頻度が高いと思われるのが「ユーザーセグメント」です。

(2022年10月「[GA4解析]セグメントを用いた探索レポート」のコラムなども参照のこと。)

そのセグメントの作成条件は、探索目的によって様々ですが...次の条件でセグメントを作成し、その値をユーザー全体などと比較することが、まずは活用の基本と考えています。


  ユーザーセグメントの基本的な条件(参考例)
コンバージョン イベント
(特定の)最初のユーザーのデフォルトチャネルグループ
  / ユーザーの最初の参照元/メディア など
(特定の)ランディングページ+クエリ文字列

サイト上の目標を達成したユーザーの行動を探る「コンバージョン」軸が、最も使用されるセグメント条件との認識ですが...それに加えて、当社ではサイト上の行動の起点を基にユーザー行動を探るセグメントなども、解析の初期段階から使用することが多い条件の一例です。

当社では、そのあとも、目的のWebサイトのKSFを発見するために...様々に条件を試し(組み合わせ)ながら...より詳細なデータの探索にセグメントを活用しています。

5. 探索レポートの手法とビジュアリゼーション

最後に、GA4の探索メニューで使用できる手法ビジュアリゼーションに簡単に触れておきます。

探索メニューで選択できる手法は「自由形式」など7つ、ビジュアリゼーションは「テーブル」など6つが現在用意されています。

この手法のうち、当社でよく使用しているものを順に並べると次のような感じになるかと思います。


  探索メニューの手法。当社の使用頻度イメージ(参考)
自由形式
ファネルデータ探索 / 経路データ探索
コホートデータ探索 / ユーザーエクスプローラ
セグメントの重複 / ユーザーのライフタイム

当然、「自由形式」の使用頻度がダントツに多くなっていますが...「ファネルデータ探索」「経路データ探索」も、ほぼすべてのWebサイトの解析で使用しています。

一方で、「ユーザーのライフタイム」は、「自由形式」でほぼ代替できると考えているため、ほぼ使用していません。

また、「セグメントの重複」に関しては、現在どのような軸のレポーティング、あるいは施策展開に有効か?などを模索中のため...当社(現時点)では、あまり使用していないのが実態です。

ちなみに、「ユーザーエクスプローラ」は、他とは用途が異なりミクロのユーザー行動にフォーカスする手法ですので...解析の目的によっては、よく利用している!という方もいらっしゃるのではないかと思います。

以上、今回は1年ぶりにGA4をテーマに、当社での基本的な実践事例などをもとにコラムを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?

なお、当社では、GA4を用いた解析&レポーティングの「個別無料相談会」なども行っておりますので、お気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。

関連コラム

[GA4解説]Looker Studio(旧:データポータル)連携とその制約

[GA4解析]セグメントを用いた探索レポート

[GA4探索]セッション指標→ユーザー指標とディメンション

[GA4考察]データ探索手法とビジュアライゼーション