Business&Marketing Column

\postコロナ/キーワードの検索需要に映るビジネス環境の変化

キーワード

postコロナ

リオープン

2023.01.15

\postコロナ/キーワードの検索需要に映る関心の変化<イメージ画像>

2022年後半は、新型コロナの存在を前提として、社会・経済活動を、徐々に通常軌道に戻していく “リオープン” ゼロ(スタート)年となりました。
そして、今年2023年は、社会・経済活動を新たな環境へと適応させ、同時に、再生を加速していく端緒の年となるはずです。

そこで、今回は、新型コロナ流行前から一般的であった用語(キーワード)をいくつかピックアップし、その “2022年” の検索需要を “2019年[preコロナ]” と比較することで、postコロナ時代へのビジネス適応と再生のヒントを探してみたいと思います。

* 以下のグラフはすべて、Googleトレンドによる2019-2022年の検索インタレストの推移をもとに作成しています。

1. 検索ワード「旅行」と「海外旅行」/2022年⇔preコロナの比較

最初は、コロナ禍の直撃を受けた消費を代表するキーワードを取り上げます。

『旅行』

「旅行」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年比較)

 * グラフは「2019年第1週」の検索インタレストを「100」とする指数化したグラフです。検索ボリュームそのものを表してはおりません。(以下のグラフすべて同じ)

このワードの検索ボリュームは、2022年9月半ば頃まで、2019年を下回って推移していたものの、「全国旅行支援(2022年10月~)」の開始決定報道とともに一気に上昇し、その後、12月に入っても、2019年度比で150%前後のボリュームを維持しています。

まさに、リオープンを象徴するキーワードとして、2023年も、(2019年を上回る)生活者の関心を捉えて、事業環境の復活が期待されるワードです。

『海外旅行』

「海外旅行」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年比較)

一方、旅行を「海外旅行」に限定して確認してみると...
検索ボリューム自体は、着実に回復基調にあるものの、2022年12月時点でも、2019年度比で50%前後の水準と、大きく下回ったまま推移しています。

まだまだ海外旅行(の検討)に対して、一般生活者の慎重姿勢が読み取れるものとなっています。

2023年も基調としては、回復を期待できるキーワードですが、1年を通じて、どこまでその関心が回復するのか?
今後の新型コロナの流行状況や、為替レートの変化など外部環境・要因とともに、海外渡航者の回復とその推移を注視する必要のあるワードと理解しています。

2. 検索ワード「おしゃれ」と「化粧品」/2022年⇔preコロナの比較

次に取り上げるのは、このキーワードです。

『おしゃれ』

「おしゃれ」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

2022年も、まだまだ外出シーンは、コロナ禍以前に及ばない状況ではありましたが、このワードの検索ボリュームは、年間を通して、2019年を大きく上回って推移していました。(概ね2019年比プラス50%近くで推移)

「×マスク」「×インスタ」など、その時々のトレンドと組み合わせて使用される用語でもあり、生活者の関心は、コロナ禍でも衰えることはなかったようです。

外出シーンの一層の増加が期待される2023年も、引き続きビジネス的にも関心を集め続けるキーワードと考えて良いと思われます。

『化粧品』

「化粧品」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

一方、関連キーワードの「化粧品」にフォーカスして見てみると...
2022年12月時点でも、2019年を概ね20%以上下回る水準が継続してしまっています。

日本では、スッカリ定着してしまった常時マスク着用の生活習慣。
この生活習慣が改まる日が来ない限り、2023年も、この傾向が続いてしまう(⇒需要回復が厳しい)可能性も高いのでは?と感じています。

3. 検索ワード「デジタル」と「Web」/2022年⇔preコロナの比較

続いては、コロナ禍突入を契機に、その重要性が急加速したキーワードをピックアップします。

『デジタル』

「デジタル」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

一躍バズワードとなった「デジタルトランスフォーメーション」への関心も一段落した2022年ですが、このワードの検索ボリュームは、2022年後半でも、(2019年比)プラス20%程度の水準を維持し続けています。

『web』

「web」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

このワードも、デジタル同様の基調となっています。
ただし、2022年末に向けて、こちらの検索ボリュームの上昇幅の方が、若干大きいように見受けられます。
...(概念ではなく)具体的なサービス段階になると、「web ○○○」と言った名称を用いることが多い。というコトが実情なのかもしれません??

いずれにしろ、リオープンが進む2023年においても、各企業におけるデジタル化の推進も止まらず、堅調な検索需要を維持するものと予測しています。
... この点、米国からは、GAFAMの人員削減報道などネガティブな話題も多くなってきていますが、個別企業・サービスの栄枯盛衰は別として、その潮流に変化はないものと考えています。

4. 検索ワード「スマホ」と「pc」/2022年⇔preコロナの比較

ここで、前項にも関連して、モノ(デバイス)に関するキーワードを取り上げてみます。

『スマホ』

「スマホ」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

2022年の検索ボリュームは、(2019年比で)やや増加しているものの、それほど目立った差は現れておりません。

少なくとも2022年前半までは、(コロナ禍で)スマホを使用する時間は明らかに長くなっていたはずですが、使用時間ほど、デバイス(モノ)への関心は高まらなかったようです。

『pc』

「pc」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

こちらのワードに関しては、スマホより、2022年と2019年の検索ボリュームの差が大きくなっています。
ただし、2022年後半に向かっては、その差が徐々に収束していく様子が、グラフからは読み取れます。

上のグラフにはありませんが...
2020年は、「在宅勤務」「リモートワーク」などワークスタイルの急激な変化等に迫られ、この検索需要が大きく増加していましたので、postコロナに向けて、その状況も収束しつつあるようです。

2023年のpcへの関心(⇒需要)は、今年以上に期待できないものと思われます。

5. 検索ワード「移住」と「農業」/2022年⇔preコロナの比較

続いては、視野を拡げて、ライフ(&ワーク)スタイルそのものの決断(転換)に関わるようなキーワードを取り上げてみます。

『移住』

「移住」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

withコロナの生活スタイルにも馴染んできた2022年後半においても、検索ボリュームは、一定レベル(2019年度比で概ね10%以上)高い水準が続いています。

コロナ禍で自身と家族の生活を見つめ直す時間が、こうした関心を後押ししているものと思われます。
そして、この数年の間に高まった生活重視の意識は、2023年も引き続き一定以上の支持を得て、地方経済再生の一つのヒントとなっていくものと考えています。

『農業』

「農業」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

こちらも、移住ほど明確ではありませんが、2022年を通じて、2019年よりやや高い水準を維持しています。

さすがに、農業を始めるハードルは、非常に高いとは思いますが...
海外への農産物輸出額の増加が続くなど、農業に対するポジティブな話題も出てきていますので、そのビジネスとしての魅力が高まれば、2023年も、(移住への関心などと併せて)その関心を高めていくことになるのかもしれません。

6. 検索ワード「補助金」/2022年⇔preコロナの比較

最後に、postコロナへ向かっているにも関わらず、残念ながら、まだまだ関心を引き付けたままのキーワードを一つ取り上げて、今回のコラムを終わりにしたいと思います。

『補助金』

「補助金」検索ボリュームの推移(2019年⇔2022年の比較)

このワードは、2022年においても一貫して、検索ボリュームが(2019年度比で)2倍またはそれ以上を維持したまま続いています。

コロナ禍の直撃を受けた事業や生活を維持するために、補助金の活用を考えることはもちろん当然のことです。
...が、本格的postコロナ時代に突入し始めた”今現在”、(国や自治体の財源も限られる中...)補助金に頼ってしまう経営や生活を続けていては、今後が立ち行かない(⇒持続しない)ことは残念ながら自明の理かと思われます。

2023年は、早々に補助金への関心がpreコロナ時代に戻ることを期待してやみません。
⇒ それだけ2023年が、コロナ禍に苦しんだ皆さまも、自立した経営や生活を再生できる“良い年”になることを祈念しております🤗

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