Business&Marketing Column

検索ボリュームの変化に見るwithコロナ時代のニューノーマル(2020)

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2021.01.15

新年あけましておめでとうございます...
という言葉も何か少し空しく、2021年も、新年早々1都3県に緊急事態宣言が発出(その後11都府県に拡大)されるなど、相変わらず新型コロナウィルスの猛威に振り回される船出となってしまいました。

本コラムの初回も、そんな”withコロナ時代”を検索ボリュームの変化から読み解くお話から始めましたが...
あれから半年近くが経過し、日本での最初の感染発表(2020年1月16日)から丸1年が経過した現在、改めて”withコロナ時代”を象徴するキーワードの検索ボリュームが2020年にどのように変化していたのか?新たなキーワードも交えながら、考察してみたいと思います。

1. 「食」に関する検索キーワードとその後のボリュームの変化

まずは、初回コラムでも取り上げました「食」関連のキーワードのその後の推移を見ていきます。
※なお、初回同様に、2019年第1週の検索インタレストを「100」とする指数化したグラフで確認していきます。(以下すべて同じです。)

最初は、コロナ下で検索需要の増加したキーワードとして取り上げた「レシピ」「出前」です。

この2つのキーワードは、2020年下半期を通して、一貫して前年同週を上回る傾向を示し、最終週時点では、前年を1.5倍強上回る水準を維持しています。
多少感染状況が落ち着いていた9月-10月でもこの傾向はあまり変わらず、「おうちごはん」増加の生活スタイルは、継続的に定着してきているものと思われます。
*ちなみに、「出前」の32-33週の増加は、夏季休暇による需要増、41週の急増は、出前館のクーポンの影響によるものと推察されます。

続いて、「外食」「ランチ」の2つです。

「外食」に関しては、実際に外食を楽しめているかは別にして、2020年下半期の検索需要としては、ほぼ前年同週並みの推移を辿っており、根強い需要があることを示しています。
一方、「ランチ」に関しては、GoToイートへの関心が高まった10月初旬に一度だけ、前年同週を上回ったものの、ほぼ一貫して前年を下回り、ランチ需要を狙うビジネスとしては引き続き苦しい状況にあると推察されます。

最後に、検索需要が前年を極端に上回っていると紹介した「テイクアウト」です。

このキーワードも、「出前」と同じく一貫して、前年同週を上回り、最終週でも前年を4倍強上回っています。
年間を通してこの水準を維持しているとなると、仮に、コロナが収束したとしても、テイクアウトで「おうちごはん」を楽しむというスタイルは、一定以上の人々に既に定着したもの。と考えるのが妥当かと思われます。
本日は取り上げていないキーワード「デリバリー」とともに、この“食スタイルの変化”への“迅速かつ持続的な”適応が、やはり外食・中食産業にとってのカギになるかと思われます。

「レシピ」「出前」検索インタレストの推移(2020)

「外食」「ランチ」検索インタレストの推移(2020)

「テイクアウト」検索インタレストの推移(2020)

2. 「職」に関する検索キーワードとその後のボリュームの変化

続いても、初回コラムで取り上げました「職」関連のキーワードをピックアップして見ていきます。

このテーマの最初は「在宅」と「リモート」の2つです。

この2つのキーワードは、1回目の緊急事態宣言解除後、徐々に前年同週の差が縮まってきていましたが、概ね9月以後は、前年と一定の差を保って上回っている状況にあります。
2回目の緊急事態宣言下では朝の出勤風景があまり変わらないと言われつつも...
こちらも、(一部職種?の方には)在宅勤務・リモートワークなどのワークスタイルが、着実に定着してきているものとの推定されます。

また、「在宅」よりも「リモート」の方が、前年同週との差が大きく、12月第1週時点で、「在宅」では1.5倍程度の差なのに対し、「リモート」では、2倍以上の差が生じています。
単に定着した呼称の問題なのか?用語の使い方に違いがあるのかは、もう少し深掘りして確認してみなくては分かりませんが...「リモート」というキーワードに着目したビジネス展開の方が可能性の幅は広がりそうに見える検索需要の推移です。
*ちなみに、「リモート」の30週の極端な増加は、TVドラマ「リモートで殺される」の影響のようです。まだまだテレビというメディアの影響力の大きさが確認できる結果です。

続いて、職関連の需要増キーワードの筆頭格として紹介した「テレワーク」です。

このキーワードも、基本的には「リモート」と同様の傾向を示していますが、年末に向けては、やや前年差を縮めてきているようにも見受けられます。
ただし、そうは言っても12月第1週時点での前年との差は非常に大きく(7倍以上に)なっており、完全にワークスタイルの一つのあり方として定着したことを示しているものと思われます。

食関連キーワードの「テイクアウト」も同様ですが、新型コロナの影響で需要が激増したキーワードほど、一過性に終わらず、その後も定着傾向にあるように見えるのは、2020年の検索需要の変化の面白いところです。。

「在宅」「リモート」検索インタレストの推移(2020)

「テレワーク」検索インタレストの推移(2020)

3. 「外出」に関する検索キーワードとボリュームの変化

続いては、初回コラムでは取り上げませんでしたが、コロナの影響を最も強く受けている分野の一つ「外出」関連のキーワードを見ていきたいと思います。

まずは「旅行」です。

このキーワードは、10月初~中旬に一度ほぼ前年並みになった以外は、一貫して前年同週を下回る水準で推移し、コロナ感染者数の再拡大が顕著になってきた最終週では、前年の半分をさらに下回る水準に低下し、検索需要においても、予想どおりコロナの影響が直撃する形になっております。

なお、10月初~中旬をピークとする上昇は、10月1日から東京が対象となったGoToトラベルの影響を強く受けているものです。この点、私も旅行業界の企業の支援を手掛けておりますが、この時点で、業界全体に非常に強力な追い風を及ぼしたことは間違いありません。
(適切な停止スキームがきちんと組み込まれ、妥当な判断で運用されていたか?に関しては大いに検証の必要があるところかとは思いますが...)

次に、「ドライブ」と「キャンプ」。この2つのキーワードを見てみたいと思います。

まずは、「ドライブ」ですが、こちらの検索需要は、年間を通して、ほぼ前年同週並みに推移し、コロナの影響をほぼ受けていないように見受けられます。
不特定多数の他人と接触することが少ない外出スタイルのため、例年と変わらず楽しまれていたのかもしれません。(逆説的には、コロナ下だからと言って、需要が盛り上がるということもなかったとも言えるかもしれません。)

続いて、「キャンプ」に関しては、様々なメディアで取り上げられていたこともあり、2020年下半期も、(前年に特殊要因があったと考えられる時期を除いて)ほぼ前年同週を上回る推移を示しております。最終週としては、前年を20~30%程度上回る水準です。
とは言え、前年より盛り上がりを見せたことは事実ですが...「食」や「職」関連のキーワードほど大きな前年差を見せるものではなく、実際は、関心の高い一部生活者の話題にとどまったか?もしくは、コロナによる外出自体の抑制意識の影響の方が勝ったか?を示す結果となったものと思われます。

「旅行」検索インタレストの推移(2020)

「ドライブ」「キャンプ」検索インタレストの推移(2020)

4. 「健康」に関する検索キーワードとボリュームの変化

最後に、巣ごもり生活の中でコロナ太りなどが心配される「健康」関連のキーワードを2つだけ見て、今回のコラムを終わりたいと思います。

とりあげるキーワードは「ダイエット」と「エクササイズ」です。

この2つのキーワードとも1回目の緊急事態宣言下では、(特に「エクササイズ」は緊急事態宣言前から)検索ボリュームを伸ばしていましたが...2020年下半期では、「ダイエット」はほぼ前年並み、「エクササイズ」も前年同週を若干上回る程度に収斂してしまっており、急速に生活者の関心を失っている様子が見受けられます。

人間、なかなか健康的な生活をふだんから“維持・継続する”のは難しいことですが、コロナ下における検索需要の推移からもその傾向が顕著に見受けられるように思われます。
この点、コロナ下での運動不足、飲酒量の増加などwithコロナ時代の健康維持は、実は、コロナ感染症以上に“喫緊かつ持続的な課題”とも言われていますので...
そこを継続させる仕組みづくりこそが、潜在的かつ本質的なビジネスチャンスなのかも知れません。(...検索需要に現れない。という点からも。)

「ダイエット」「エクササイズ」検索インタレストの推移(2020)

本日は、ほぼ丸1年となる”withコロナ時代”を、改めてトピック的なキーワードの検索需要の推移から掘り起こしてみようという回でしたが...
データもほぼ1年蓄積されてくると、何が今後もニューノーマルとして続き、何が一過性のものとして消えていくのか?という点が、具体的に目に見える形で分かってくるものがあったのではないでしょうか?
また、検索需要の推移については、適宜取り上げてみたいと思います。