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[2024ビジネストレンド]2023話題のワードの検索トレンドから考える

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2023.11.15

[2024ビジネストレンド]2023話題のワードの検索トレンドから考える<イメージ画像>

2023年も、今年の新語・流行語大賞のノミネートが発表される季節になりました。

ビジネス界隈では、どのような用語が話題になったのでしょうか?

今年も、昨年同様、GoogleTrendsで今年話題のキーワードの検索ボリュームの変化を振り返りつつ、来年、2024年のビジネストレンドをキーワードから探してみたいと思います。

* 以下のグラフはすべて、Googleトレンドによる2022-2023年の検索インタレストの推移をもとに作成しています。

1. 「チャットGPT」と「生成AI」の検索トレンド

最初に取り上げるのは「チャットGPT」。

2023年のビジネス界の話題を席巻したのは、何といっても、このサービスでしょう。

「チャットgpt」検索ボリュームの推移(2022-2023)

※グラフは「2022年最終週」の検索インタレストを「100」とする指数化したグラフです。検索ボリュームそのものを表してはおりませんので、ご注意ください。

2022年11月30日に公開された「チャットGPT」は、翌1月には、当時、史上最速で1憶ユーザーを突破し、やや遅れて2月には、日本の検索需要でも一気にブレイクを果たしています。

その後、5月以後は、やや落ち着いた推移となっていますが、いまでも高水準のトレンドを維持しています。

「生成AI」

「生成ai」検索ボリュームの推移(2022-2023)

「生成AI」は、チャットGPTより少し早く「画像生成AI」が2022年夏ごろから一部で話題になりつつありました。

そして、チャットGPTの出現によって一気に広まり、今では、今年を代表する用語として認知されるようになっています。

その後の検索トレンドも、(勢いはやや鈍っていますが...)いまだ上昇基調が続いている状況です。

そして、この生成AIに関しては、チャットGPTの出現に触発されて...

  • Google Bard
  • Meta AI
  • Amazon Bedrock
  • X Grok
...と米大手IT企業などを中心に、今年、新たなサービスが続々とデビューしています。

引き続き、この分野への世界的関心は高く、高成長の期待を集めているため、2024年もきっと、新たな関連ワードがビジネストレンドに現れてくることでしょう。

同時に、日本の企業にとっても、生成AI活用の巧拙が今後の事業成長への分岐点になる年となるのかも知れません...

2. 「NFT」「Web3」の検索トレンド

次に取り上げるのは、2023年の回で取り上げた「NFT」と「Web3」です。

「nft」「web3」検索ボリュームの推移(2022-2023)

「NFT」も「Web3」も、今年は一貫して、同じような下降トレンドを描いています。

Web3など、業界では、今年さらなる定着も期待された用語でしたが...デジタル関連では「生成AI」ブーム一強の中...これらの用語が、一般の方の耳目を集めることはあまりなかったようです。

もう一つ、今年、日本では本格的なリオープンを迎えたということもあり、生活者の関心がデジタル→リアル社会に向いた影響もこの推移には関係ありそうです。

実際に、私も、今年登場したデジタル関連の新たな潮流・トレンドをあまり聞かなかった気がします。

...リアルへの関心が落ち着く2024年以降は、「メタバース」も含め2022年以前に話題になった概念・仕組みを取り入れたサービスの本格的普及や...生成AIに続く、全く新しいデジタルトレンドの出現にも期待しています。

3. 「インバウンド」「オーバーツーリズム」と「海外旅行」の検索トレンド

続いては、リオープン関連を代表するワードとして「インバウンド」と「オーバーツーリズム」です。

「インバウンド」「オーバーツーリズム」検索ボリュームの推移(2022-2023)

「インバウンド」に関しては、(グラフではちょっと分かりづらいですが...)既に2022年から徐々に関心が高まっていたため、今年はそれほど大きな変動がありません。特に4月以後は、概ね横ばい程度で推移しています。

一方、インバウンド増加の負の側面を示す「オーバーツーリズム」は、今年大きく関心を高めたことが現れています。特に、8月以後の検索ボリューム増加が顕著です。

この問題への関心は、外国人旅行客の急増とともに、日本社会の構造的問題「人手不足」も背景にあり...“おもてなし”が差別化要因となるサービス産業では、来年も引き続き、高い関心を集めるものと思われます。

次にインバウンドと対をなす「海外旅行」です。

「海外旅行」検索ボリュームの推移(2022-2023)

昨年までは、インバウンドに比較してナカナカ関心が高まらなかった「海外旅行」が、今年はジワジワと水準を切り上げています。

円安という逆風はありますが...コロナ禍前は海外旅行を楽しんでいた方々も、実質‘5年ほど’海外旅行に行けていない層が大多数となっている中...キッカケさえあれば、大きくブレイクする可能性を秘めている話題、そしてビジネステーマと言えるのではないでしょうか?

4. 「人手不足」の検索トレンド

ココで、前項で少し触れた「人手不足」を取り上げます。

「人手不足」検索ボリュームの推移(2022-2023)

「人手不足」も、前年に比較して、徐々に水準を切り上げる推移を示しています。

この用語は、トレンドワードと言えるようなものではないかも知れませんが...あらゆる業種の企業から‘採用難’を聞くことの多くなった今日、企業活動の存続&成長に向けては、非常にクリティカルなワードです。

そして、日本の人口動態的には、これからさらに加速する問題と言われていますので、来年以降も、持続的に、もしかしたらさらに急角度でトレンドに現れる言葉となっていくのかもしれません。

5. 「2024年問題」「ライドシェア」の検索トレンド

続いて、今回も政策・制度関連のキーワードを2つ取り上げます。

まず「2024年問題」。

トラックドライバーなどの労働環境改善に向けて...働き方改革関連法で、2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって生じる問題の総称です。

一般事業者(荷主)側の視点では、物流キャパシティの確保、コスト上昇などの問題などとして捉えられます。

「2024年問題」検索ボリュームの推移(2022-2023)

このキーワードは、今年に入りすぐに関心を集めはじめ、その後も月を追うごとに関心を高めている状況です。

直近に迫った課題に関わらず、政府・企業とも対策の遅れが指摘されており...さらに、制度が始まってみないと、その現実的な影響が測り切れない面もあるため...もしかしたら、来年4月1日と同時に、さらに一気に注目を集める。なんてこともあるのかもしれません。

続いて「ライドシェア」です。

この言葉自体は、既にUberの登場時に注目され、特段目新しい言葉ではありません。ただし、日本では「自家用車による運送サービスが白タク行為に当たる」として長年、認められていませんでした。

それが、今年に入って...特に、地方で公共交通機関・タクシードライバーの確保が難しくなる中、生活の足の確保の観点から...解禁議論が政策に上るようになり、再度注目を集めるワードとなっています。

「ライドシェア」検索ボリュームの推移(2022-2023)

こちらの検索需要は、政策議論に併せるように、8月頃から急速に立ち上がり、岸田総理大臣が、臨時国会の所信表明演説でライドシェアに言及すると、一気にピークを付けています。

政策関連の用語は、一時的に注目を集めるものの、その後、その関心が長続きしない例も多いため、このワードの今後の推移は、議論のスピード感。そして、どのレベルで解禁されるのか?などが、ビジネス的にも関心を集める条件と思われます。

ちなみに、前年のコラムで取り上げた「リスキリング」は、一過性...で収束してしまいました。

...誰しも、‘自身の努力(痛み!?)’が必要になる事に関して、それだけで関心を持ち続けることは難しいのかもしれません...

6. 「タイパ」「Y2K」の検索トレンド

今年は、新たなトレンド・用語を生み出す‘Z世代’(若年世代)マーケティングへの関心が例年になく高まった年でもあります。

ということで、最後に、この2つのキーワードを取り上げます。

「タイパ」と「Y2K」

「タイパ」「y2k」検索ボリュームの推移(2022-2023)

「タイパ」は、検索上では、2022年9月頃から本格的に現れ出し、今年も、昨年を大きく上回って推移しています。

ただし、今年は、6月頃に一時的に大きなピークを付けたものの、期間を通じて概ね横ばい程度になっています。

このワードは「コスパ」と対になる語呂の良さがありますので、今後も、当たり前のワードになっていくと思いますが...これから特段の話題になることはない。ことが予期される推移になっています。

「Y2K」に関しては、今年も、緩やかな増加基調を示しているものの、水準としては、昨年とそこまで変わりません。

なお、グラフ上、2023年最後の週は、今年の新語・流行語大賞のノミネートがあった週です。...ノミネートを受けて検索した人が急増したことを示しています。

こちらのワードは、今年のトレンドワードと言うよりは、昨年以前より既に、一定層には広まっていた言葉と考えられます。...今回のノミネートにより幅広い層に広まったかも知れませんが...そうなると、若年世代は新しい言葉を求めて離れていく。というのが常と言えるでしょう。

日本では‘採用難’があまたの企業を悩ませる頭の痛い課題となる中、若年世代へのマーケティング自体は、来年以後も関心を集めるテーマだと考えています。

...ただし当然、世代は移り変わり...それにつれて、このテーマでは、次々と新しいトレンドワードが生まれてくることでしょう。(ちなみに、Z世代の次は、‘α世代’だそうです。)

皆さまそれぞれ、2024年に向けて注目しているビジネスワードは他にも多々あると思いますが、今回のコラムは、ここまでとさせていただきます。

良い年の瀬に向けて、多少なりとも来年のビジネス&マーケットを捉えるヒントとなっていれば幸いです。

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