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『2023トレンドワード』2022検索ボリュームの推移から探る

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ビジネストレンド

2023

2022.11.05

『2023トレンドワード』2022検索ボリュームの推移から探る<イメージ画像>

2022年も早いものでもう11月、残り2か月を切りました。そろそろ今年を振り返る特集があちこちで始まる時期ですね。

ということで、今回は、今年最初のコラム「検索需要の変化検索需要の変化から考える2022トレンドワード」で取り上げた『2022年のビジネストレンド』を代表する!?キーワードのその後の検索ボリュームの推移を振り返りつつ、来年、2023年のビジネストレンドを探ってみる回としたいと思います。

* 以下のグラフはすべて、Googleトレンドによる2021-2022年の検索インタレストの推移をもとに作成しています。

1. 「メタバース」の検索ボリュームの推移

最初に取り上げるキーワードは、前回同様「メタバース」です。

「メタバース」検索ボリュームの推移(2021-2022)

※グラフは「2021年最終週」の検索インタレストを「100」とする指数化したグラフです。検索ボリュームそのものを表してはおりませんので、ご了承ください。

2021年10月。Facebook社の「メタ(Meta Platforms, Inc.)」への社名変更を契機に、一気にトレンドワード化したこのワード。 2022年の推移は、1~2月にかけて検索ボリュームのピークをつけたものの、その後も、前年末を上回る高位圏で比較的安定的に推移しております。

2022年のビジネストレンドの一つとして、ほぼ1年を通じて話題の中心だったことに間違いはないでしょう。

ただし、メタ社の業績不安とともに、その行く末にネガティブな報道なども徐々に増加しております。
2023年も一定レベルの関心を集めることは間違いないと思いますが...今後は、「ゲーム」「コミュニティ」などサービス領域ごとに細分化していき、より実体を伴う新たなキーワードがトレンドに上がってくるのではないでしょうか?

2. 「NFT(Non-Fungible Token)」の検索ボリュームの推移

続いても、今年最初に取り上げた「nft(+ブロックチェーン)」です。

「nft」検索ボリュームの推移(2021-2022)

こちらのグラフも「メタバース」同様、(1月下旬をピークに)今年前半(5月頃)までは、安定的な検索ボリュームの推移を見せておりましたが...それ以後、今年後半にかけては、徐々に低下傾向を示しています。

日本では、民間企業に限らず地方自治体なども含め、NFTを用いたサービスへの参入がまだまだ相次ぐ状況ですが、その交換価値を担保する「暗号資産」の価格下落に歩調を合わせるように、一次のブームは去りつつあるのかもしれません。

2023年以後は...現在のようなビジネス側の関心(ブーム)だけではなく...より一般ユーザーに身近な「デジタル・コンテンツ・サービス」が出現し、その具体的なサービス名称などとともに、新たな派生・関連ワードが関心を集めていく時代に変化していくのではないか?と考えています。(少し時間はかかるかも知れませんが...)

3. 「Web3」「DAO」の検索ボリュームの変化

次は一つ、デジタル(Web)関連のキーワードで、2022年に検索需要を伸ばしているものを取り上げます。
「web3」と、併せて使用されることの多い「dao」です。

「Web3(Web3.0)」...既にご存じの方も多いと思います...
「分散型インターネット」とも呼ばれ、ブロックチェーンなどの技術的な進化を背景に、いわゆるGAFAMなどの巨大プラットフォーム企業が“データ”と“収益”を独占するWeb2時代へのアンチテーゼとして、近年、関心を高めてきている概念ワードです。

「DAO」...
日本語で「分散型自立組織」のことで、「中央集権的な管理者不在/(トークンによる投票など)民主的な組織運営/透明性が高い組織運営」などを特徴とする組織のことを言います。

「web3」「dao」検索ボリュームの推移(2021-2022)

「web3」に関しては、すでに2021年(特に10月以後)にも関心を高めつつありましたが、今年、4月中旬、5月下旬、7月下旬の話題の山(某書籍の炎上というネガティブなものもありましたが...)ごとに、検索需要を大きく伸ばしている様子が見て取れます。

このキーワードに関しては、
・(ほぼ垂直に関心が立ち上がった「メタバース」などとは異なり)段階的に関心を高めていること。
・デジタル経済を寡占するGAFAMの影響力への議論は、今後も続くと考えられること。
などから、2023年に入っても、引き続きビジネス的関心をさらに集めるものと予測しています。

(ただし、この概念が、実体を伴って現実に定着するかどうか?は...結局のところ、ユーザーに支持されるサービスが次々と生まれてくるか?にかかっていると思います。...その将来に関しては、まだまだ紆余曲折が予想されます。)

同じく「dao」に関しても、基本「web3」に追従する形で、2023年も検索ボリュームを伸ばしていくものと考えています。

その他、2022年のデジタル関連では、「AI」を活用したMidjourneyなどの「画像生成AI」が、(まだGoogleトレンドに挙がってくるレベルではないですが...)一部で話題になっていました。
2023年には、一般ユーザーが利用できるサービスとしての「AI関連ワード」が、いよいよGoogleトレンドの検索データにも登場してくることを期待しています。

4. 「リカレント教育」「リスキリング」の検索ボリュームの推移

続いては、前回掲出のキーワードに戻って、「リカレント」と「リスキリング」です。

「リカレント」「リスキリング」検索ボリュームの推移(2021-2022)

「リスキリング」は、今年最もブレイクしたトレンドワードの一つと言って良いと思います。

このワードも、すでに2021年後半以後、徐々に検索需要を伸ばしていましたが、2022年10月3日に『岸田首相が所信表明演説で「リスキリング支援」に今後5年間で1兆円の予算を投じる計画を打ち出す』と、その関心も一気にブレイクしました。

来年以後にも続く主要政策ワードでもあり、また、コロナ禍で露わになった日本のデジタル化の遅れに対し、官民とも人材育成は当面喫緊の課題であり続けるため、2023年も引き続き高水準の関心を集め続けるワードではないかと思われます。

一方の「リカレント」は、2022年を通じて検索需要の推移にほとんど変化がありません。

やはり、一旦会社をヤメテ学び直しの機会を得るようなスタイルは、今の日本では関心レベルでも、まだまだハードルが高いようです。
...個人的には、従業⇔学び直し期間を、もっと自由に行き来できるような社会構造の変化を、日本にも期待したいと思っています♪

5. 「インバウンド」「海外旅行」の検索ボリュームの変化

ここからは、再び、今年大きく検索ボリュームを伸ばしているものを取り上げます。
目新しい言葉ではありませんが、その需要復活を期待される「インバウンド」と「海外旅行」です。

「インバウンド」「海外旅行」検索ボリュームの推移(2020-2021)

「インバウンド」に関しては、入国制限の緩和の話題とともに大きく検索ボリュームを伸ばし、特に、10月11日~の『訪日外国人観光客の個人旅行受け入れ開始』とともに、検索でも一段と関心を集めています。

観光業界は、コロナ禍で一番打撃を被った業界でもありますので、まさに、業界全体の期待と関心の高さを現わしているものと思われます。

2023年に入っても、実需の復活と歩調を合わせつつ、関連する様々な「日本関連ワード」とともに、引き続き、社会の関心を引き付けていることを期待しています。
(どちらかと言うと...日本以上に“海外”のトレンドになるワードが生まれることを期待ですね!!)

それに対して「海外旅行」は、今年初春頃からじわじわと検索ボリュームを伸ばしてはいますが、「インバウンド」ほどの大きな上昇トレンドは描けていません。

まだまだ、海外旅行を検討することに慎重な方が多いことを示唆しているものと思われます。

2023年は、こちらの伸びも期待したいところですが...円安などのハードルも大きく横たわっているため、今年と同じく、漸次上昇していく形に落ち着くのかも知れません。

旅行関連に限らず、2021-2022年のリアル消費関連のキーワードの多くは、「リベンジ」「リオープン」などの枕詞とともに語られていましたが...いよいよ2023年は、本質的に、Brand-Newなリアルトレンド(あるいは、リアル×デジタルトレンド)が生まれてくるのでは?と期待しております。
...個人的には、巣ごもりで弱った「体力回復(健康)」関連や、円安を生かした「輸出」関連ワードなどに注目しています。

6. 「マイナンバーカード」「インボイス制度」の検索ボリュームの変化

最後に、政策・制度関連のキーワードを2つ取り上げます。

「マイナンバーカード」「インボイス」検索ボリュームの推移(2021-2022)

「マイナンバーカード」
すでに聞きなれた言葉かと思いますが...6月30日~の『マイナポイント第2段キャンペーン』や、10月に『河野デジタル大臣が発表した健康保険証の原則廃止によるマイナンバーカードの実質義務化』の話題で、今年再注目を集めるワードとなりました。
(上のグラフでは、「インボイス」の陰に隠れて、その伸びが分かりずらいと思います。...ゴメンナサイ。)

この言葉も...いわば、国民全員がユーザーとなる「サービスワード」ですので...実質義務化のスタートに向けて、あるいは、順次の機能・サービス拡張に向けて、その制度設計の議論とともに、折に触れて、今後も世間の耳目を集めていくことかと思われます。

もう一つは「インボイス」です。
いよいよインボイス制度の開始が、来年10月1日に迫っています。そのスタート当初から適格請求書発行事業の登録を受けるためには、3月31日までの申請が必要です。

上のグラフからは、それまでなだらかだった関心の伸びが、1年を切った新年度入り過ぎの頃から、(関係する企業・個人事業主の間で)現実としての関心として、急速に立ち上がった様子が見て取れます。

期間限定のビジネストレンドではありますが、来年前半までは、間違いなく検索ボリュームを維持するワードとなることでしょう。

7. 「物価」「円安」の検索ボリュームの変化

最後おまけとして、「物価」「円安」の検索需要の推移を掲載しておきます。

「物価」「円安」検索ボリュームの推移(2021-2022)

「物価」
値上げのニュースなど、1年を通じて、検索需要も徐々に増加し、直近週では、昨年同週比で3倍近くになっています。

「円安」
急速に進む円安で「○年以来の円安」といった話題で折に触れ、検索需要も急騰し、ピークでは、前年比約30倍もの関心を集めています。

いずれもトレンドワードと言って良いものか分かりませんが、実質的に“今年も最も世の中の関心を集めたワード”ではないでしょうか?
...2023年も、実際の物価(為替)動向と併せて、このキーワードへの関心が続くか?は多くの企業のビジネス環境を左右しかねない要注視のワードだと思います。

なお、今回は文面の都合上、「脱炭素」「ev」、「ダイバーシティ」「lqbtq」は、改めて取り上げませんでしたが...例えば「ev」⇒ 日産・三菱の新車発売に合わせて、一段の検索需要上昇。...など、引き続き社会的関心を集めるキーワードです。

2023年には、また関連&周辺ワード含めて大きな変化があるかも知れません。まだまだ注視が必要なビジネスワードと思っております。

それでは、皆さまも、今回のコラムなども参考にしていただきつつ...新たな年に向けて、新たなビジネスのヒントを、“今から”探し始めてみてはいかがでしょうか?

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