Business&Marketing Column

ペット(犬猫)市場。検索キーワードに見るその成長分野

ペット市場

2022.02.15

来たる2月22日は、ニャン・ニャン・ニャンの語呂合わせで「猫の日」ですね♪
ということで、今回は、猫(+犬)のマーケット動向に関するコラムをお届けします。

猫と犬関連がマーケットを代表する「ペット関連市場」に関しては、ペット全体の飼育頭数の減少傾向が続く*と推定される中でも、(株)矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査(2021年)」によると、その市場規模を堅調に拡大させていくものと予測されています。

(株)矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査(2021年)」

* 最新の(社)ペットフード協会「2021年全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の飼育頭数の減少は続いており、猫の飼育頭数は緩やかに増加。ただし、飼育意向はいずれも低下が続いている。との結果に

それでは、ペット関連市場の中でも、実際にはどのようなマーケット分野が伸びてきているのでしょうか?
猫&犬用品・サービスを代表するキーワードを取り上げ、この5年間の検索需要から「猫⇔犬」を比較しつつ、確認していきたいと思います。

1. 「ペットフード」関連ワードの検索ボリュームの推移

最初は、市場規模の大きいペットフード関連のキーワードです。

「ドッグフード⇔キャットフード」の検索ボリュームには、この5年間、概ね継続的に2倍程度の差が見受けられます。
前述の全国犬猫飼育実態調査によると、犬⇔猫の「飼育世帯数」にそこまで大きな差はなく(犬:5,656千世帯/猫:5,172千世帯)、「(市販の)主食用フードの平均支出金額」にも顕著な差は見受けられない(主食用ドッグフード:3,736円/主食用キャットフード:3,504円」)ことを鑑みると、犬の食事には、消費実態以上に、オーナーさんの関心が高いことが見てとれます。
この点、“高価格帯フード”の市場は、今後も引き続き「ドッグフード」の方が有望な市場と考える根拠となるかも知れません。

ただし、「ドッグフード」「キャットフード」とも、検索需要は概ね横ばいで推移しており、市場全体の動向は、商品単価の上昇とその価格帯の許容度合いにかかっているように思われます。

「ドッグフード」「キャットフード」検索ボリュームの推移(2017-2021)

続いて、同じペットフード関連として「犬 おやつ」「猫 おやつ」を見てみます。
こちらも「犬」の検索ボリュームが大きい点は、ドッグフードと同様の傾向を示していますが、その推移がやや右肩上がりの傾向(特に「犬」に関して)を示している点が、上記のグラフとは異なります。
このグラフからは、ペットの家族意識が進む中、食事に関してもより“嗜好品”に近い市場が今後のマーケットを牽引していくことを示唆しているものと、改めて認識させられます。

「犬 おやつ」「猫 おやつ」検索ボリュームの推移(2017-2021)

2. 「ペット用品」関連ワードの検索ボリュームの推移

次に「犬 用品」「猫 用品」のグラフです。
このキーワード自体で検索されることはあまり多くはないと思いますが...ペットフードより「犬⇔猫」の差が小さく、また、5年間の推移も大きな変化がない結果になっています。

「犬 用品」「猫 用品」検索ボリュームの推移(2017-2021)

この関連ワードとして「犬 おもちゃ」「猫 おもちゃ」を取り上げます。
犬⇔猫の差が小さいことは「用品」同様ですが、「おやつ」以上に右肩上がりの推移を示しています。
この点、コロナ禍でペットと過ごす時間が増えている中、“ペットのため”というだけでなく...オーナー自身が一緒に楽しめるアイテムとして、これらのペット用品が求められているのかもしれません。
コロナ禍収束後の動向にも要注目のキーワードです。

「犬 おもちゃ」「猫 おもちゃ」検索ボリュームの推移(2017-2021)

もう1つ「犬 トイレ」「猫 トイレ」を確認してみます。
このグラフでは「猫」が「犬」をほぼ一貫して上回る推移となっている点が、ここまでの他のキーワードのグラフと大きく異なります。
これは、猫の方が、“室内飼い割合が高い”ことも一因となっていると推測されます。

さらに、おもちゃと同様、検索需要が段々と増加しており、特に「2020年以後」にその傾向が比較的顕著となっていることから、「臭い」などオーナーの住環境そのものに直結するワードとして、コロナ禍の影響がよく現れているワードとも推察されます。

「犬 トイレ」「猫 トイレ」検索ボリュームの推移(2017-2021)

3. 「医療・健康」関連ワードの検索ボリュームの推移

続いて、こちらも、主要マーケットの一つとされる医療・健康関連ワードを取り上げます。

まずは「犬 病院」「猫 病院」です。
「犬⇔猫」で、ほぼ同様の検索ボリュームを示しているとともに、グラフも右肩上がりを示しています。
要因としては、(人間同様)ペットの高齢化が進んでいる現状が大きく影響している。と推定される他、(家族意識が強まる中で...)よりペットの健康に気を使うオーナーが増加しているのかも知れません。
引き続き、拡大が期待されるマーケットと言えるのではないでしょうか?

「犬 病院」「猫 病院」検索ボリュームの推移(2017-2021)

併せて「犬 ケア」「猫 ケア」の検索ボリュームも見ておきます。...が、こちらも基本的には、上記同様の傾向を示していると言えそうです。

「犬 ケア」「猫 ケア」検索ボリュームの推移(2017-2021)

最後に、同様に市場拡大が続いている「ペット保険」について確認してみます。
このキーワードに関しては、「犬 保険」「猫 保険」のグラフとも、明確に右肩上がりの推移を描いてはいません。
ペット保険の加入率はまだまだ低く、加入者数の増加余地は大きいものの...この結果からは、まだまだ一般オーナーの関心が高まるような状況にはなっていないため...今後の市場拡大に向けては、認知向上等、さらなる努力が必要とされるマーケットではないか?と考えられます。

「犬 保険」「猫 保険」検索ボリュームの推移(2017-2021)

ここまで、いくつかの関連キーワードの検索需要の推移を見てきましたが...
同じペット関連市場の中でも“成長期待の高い分野”“そうではない分野”が混在している状況が、検索需要からも、ある程度ハッキリと見えていた結果だったのではないでしょうか?

また、すべてのグラフで[2021年10月]以後の検索ボリュームが低下しており、この時期は、コロナ禍が一時収束していたタイミングともマッチするため...今後、コロナ禍も、再拡大⇔収束の波を繰り返しながらも、徐々に収束トレンドに向かうと考えられる中、マーケットがどのような動きを示していくかにも要注目です。

4. 【画像検索】【YouTube検索】の検索ボリュームの変化

おまけとして、GoogleTrendsの【画像検索】【YouTube検索】による「犬」「猫」の検索データを掲載しておきます。
ただし、この検索の結果に関しては、例えばエンタメユニットすとぷりの「莉犬くん」やダンスロックバンドdishの楽曲「猫」などを目的とする検索も含まれているため、あくまで参考程のものとなります。

【画像検索】グラフでは検索ボリュームの推移に、トレンドと言える変化がほぼありません。一方、【YouTube検索】では、その推移が段階的に右肩上がりになっています。
特に、コロナ禍での自粛が本格化した[2020年4月頃]より「猫」のグラフの山が大きく上がっており、この点は、不安な世相の中、犬よりは「(愛らしい)猫動画」に、一時の癒しを求める傾向が強まった影響なのかも知れません...。

【画像検索】「犬」「猫」検索ボリュームの推移(2017-2021)

【YouTube検索】「犬」「猫」検索ボリュームの推移(2017-2021)

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