Survey Reports

“働く人”の生成AIサービス利用割合は『40%強』。生成AI利用者では【仕事とプライベート両方】で利用する人が過半数。【仕事のみ】は10%未満

生成AIは仕事に利用?プライベートで利用? - 働く人の生成AI利用に関する調査 -

生成AI

仕事

プライベート

2025.10.28

ChatGPTが2022年11月に一般公開されてから3年近くが経過し、生成AIサービスは、仕事においてもプライベートにおいても、その存在感を急速に高めています。その構図は、生成AIの利用が、諸外国に比べて遅れている日本*においても、基本変わりはありません。

「顧客獲得」「製品開発」の悩みなど...ビジネス課題に特化した生成AIサービスも今秋開始し、企業のマーケティング戦略立案や実行支援などを行うLifeTimeTechLabo Inc.では、生成AIが社会全般に広く浸透しつつある今、“働く人”にフォーカスして、【仕事】と【プライベート】両面で生成AIがどのように利用されているか? その一端を明らかにするためのインターネット調査を実施いたしました。

* 総務省「情報通信白書 令和7年版」などによる

調査結果サマリー

  • 現在、仕事をしている人で、生成AIサービスを【仕事】で利用している人は「29.1%」。【プライベート】で利用している人は「38.4%」。生成AI利用者に限定すると、【仕事】の方が、利用頻度が高い傾向
  • 現在、仕事をしている人で、(いずれかの用途で)生成AIを利用している割合は「42.4%」。生成AI利用者に限定すると【仕事とプライベート両方】で利用している人が過半数。【仕事のみ】利用は10%未満
  • 職業別では、生成AIを【仕事】で最も利用しているのは「経営者・役員」。「会社員(正社員)」「自由業・フリーランス」が続く。一方、【プライベート】利用では「会社員(正社員)」。ただし、職業ごとの差は【仕事】利用に比べると小さい
  • 最も利用割合の高い生成AIサービスは、【仕事とプライベート両方】で「chatGPT」。唯一、生成AI利用者の過半数を超える。どちらの用途でも「Gemini」が2位、「Microsoft Copilot」が3位で続く
  • 生成AIの利用目的は、【仕事】で「情報収集・調査・リサーチ(48.6%)」「文章の作成・校正・要約(48.0%)」が高く、「アイデア出し・企画立案」などが30%台で続く。【プライベート】では「情報収集・調べ物(59.2%)」が突出

調査結果詳細

今回の調査では、「現在、仕事をしている人」、そして「生成AIサービスを利用している人」を抽出するために、20歳~69歳までの年齢の方を対象として、最初にスクリーニング調査を行っている。

そのスクリーニング結果を元に「現在、仕事をしている人」の「(仕事・プライベート別に)生成AIサービスの利用割合・利用頻度」を示したものが次のグラフ。

[現在、仕事をしている人]生成AIサービスの利用頻度(利用割合)

【仕事】で、(「月に1回」以上)生成AIを利用している合計割合は「29.1%」。逆に、利用していない合計割合は「70.9%」で、約7割が利用していないとの回答。

また、利用する方の頻度では、「毎日」が「9.4%」、「週に2~3回」が「7.7%」、「週に1回」が「5.1%」と、概ね頻度が高い方の割合が多くなっていた。

一方、【プライベート】で、生成AIを利用している合計割合は「38.4%」と、【仕事】より10ポイント近く高くなっている。

同じく、利用する方の頻度では、「週に2~3回」が最も高く「10.3%」。次に「毎日」が「8.4%」、「週に1回」が「7.9%」と、【仕事】利用とは、やや異なる傾向が現れていた。

“働く人”においても、生成AIサービスの利用者は、まだ過半数にも達しておらず、また、【仕事】より【プライベート】利用の方が多い結果となっていた。

他方、その利用頻度では、【プライベート】より【仕事】の方が高頻度になりやすい傾向を示しており、業務として生成AIを利用することで、より利用の習慣化につながりやすいことが示唆されている。

次のグラフは、同設問の生成AIサービスの利用割合を【仕事】と【プライベート】の重なり合いが分かるように作成したもの。

[現在、仕事をしている人]生成AIサービスを利用している割合(仕事・プライベート別)

このグラフで、生成AIを「(いずれかの用途で)利用している」合計割合は「42.4%」。「利用していない」割合は「57.6%」。そして、「利用している」うちでは、「仕事・プライベート両方で利用している」が最も高く「25.2%」となっている。

また、「仕事のみで利用している」の割合は、わずか「3.9%」のみであった。

これを生成AI利用者に限定すれば、過半数(59.4%)が【仕事とプライベート両方】で利用している計算。(【仕事のみ】の利用は10%未満。)

このグラフを見ると、生成AIサービスの利用者は、利用用途を【仕事のみ】【プライベートのみ】どちらかに限定しない傾向がよく分かる。

そして、その傾向は、特に【仕事】起点で利用を始めた者に、より強く現れることが示唆されていた。

スクリーニング設問の最後のグラフは、「(仕事・プライベート別の)生成AIサービスの利用頻度」を、職業別に集計したもの。

[職業別]生成AIサービスを利用している割合

【仕事】で、生成AIを利用している合計割合が最も高い職業は「経営者・役員(50.8%)」で、唯一、過半数を超えていた。続いて「会社員(正社員)(40.3%)」「自由業・フリーランス(34.5%)」などとなっている。

逆に、その割合が最も低い職業が「パート・アルバイト」の「11.1%」。最も高い「経営者・役員」との差は、40ポイント近くにも上っている。

【プライベート】では、「会社員(正社員)(47.5%)」が最も高い。ただし、続く「自由業・フリーランス(46.9%)」「経営者・役員(46.0%)」「公務員・団体職員(教職員除く)(45.1%)」も僅差で、ほぼ同水準となっていた。

最も低い職業は、こちらも「パート・アルバイト(25.2%)」で、最も高い職業との差は、20ポイント強であった。

当然と言えば当然のことではあるが、【仕事】での生成AI利用は、「職業」に大きく依拠することが明らかとなっている。この点は、おそらく「職種」によっても、明確な差異が出現するものと示唆される内容となっていた。

一方の【プライベート】では、もちろん職業による影響は小さくなっているものの、【仕事】での利用割合が高い職業ほど、基本【プライベート】でも高い傾向にあり、職業が【プライベート】での生成AI利用に影響を及ぼしている可能性が否定できない結果となっている。

本調査では、スクリーニング調査を元に、「現在、仕事をしている人」「(仕事またはプライベートで)生成AIサービスを利用している人」を対象に調査を行っている。

最初の設問では、「(仕事・プライベートごとに)利用している生成AIサービス」を聞く質問を行っており、それぞれの「上位10位」までを示したものが次のグラフである。

[仕事・プライベート]利用している生成AIサービス(上位10)

【仕事】で、利用している生成AIサービスは、「ChatGPT」が唯一、利用者の過半数を超え「59.0%」。それに「Gemini(31.9%)」と「Microsoft Copilot(23.4%)」が20ポイント以上離れて続いている。

また、4位以下のサービスの割合は、すべて「10%未満」と、3位までとは大きく差が開いていた。

【プライベート】の方も、「ChatGPT(59.7%)」が最も高く、「Gemini(35.7%)」、「Microsoft Copilot(18.3%)」が続き、上位3位までは同順位となっている。

なお、その割合は、「ChatGPT」はほぼ同じで、「Gemini」は【プライベート】がやや高く、「Microsoft Copilot」は逆に【仕事】が高い。

その他、【プライベート】利用が【仕事】と異なる点は、「Grok」が10%超と、順位も4番目に上がっている点。6位以下のサービスの利用割合が、すべて「5%未満」と、【仕事】以上に利用サービスが偏っている点などに見受けられる。

このグラフでは、(小幅に順位が変動しているサービスなどもあるが)上位の利用サービスは、ほぼ同じもので占められており、生成AIサービスは、【仕事】と【プライベート】による使い分けが、あまり行われていないことが分かる。

生成AIサービス自体が学習効果を発揮していく仕組みのため、利用者が使い込んでいるサービスが、そのままその人にとっての使い勝手の良さにつながっていく。と言った点も影響しているものと思われる。

続く第2問と第3問では、「(仕事・プライベートそれぞれで)生成AIサービスの利用目的」を聞く質問を行っている。それを一つにまとめたグラフが次のものである。

[仕事・プライベート]生成AIサービスの利用目的

【仕事】では、「情報収集・調査・リサーチ(48.6%)」「文書の作成・校正・要約(48.0%)」の2つが高く、「アイデア出し・企画立案(33.1%)」「翻訳・多言語対応(30.1%)」などが、10ポイント以上離れて続いている。

【プライベート】では、「情報収集・調べ物(59.2%)」が突出して高く、30ポイント以上離れて「日常の文章作成・校正(24.9%)」「翻訳・多言語対応(24.0%)」などとなっている。

このグラフからは、【仕事】では、「文書実務」以外にも「情報探索」「企画」「データ分析」など比較的上流工程にあたる業務での活用が進んでいる様子が浮かび上がる。この点は、前述の職業別利用動向とも重なり合う結果と考えられる。

一方、【プライベート】利用では、言わば “検索サービスの代替(上位互換)” にとどまっている例が多いと考えられるものの、それ以外では、「コミュニケーション相手」としての利用や「自身の創作活動」への利用などが、【仕事】とは異なる特徴として現れている。

今回の調査は、“働く人”においても、生成AIサービスの利用は、まだまだといった現況が前提とはなっていますが...「仕事(職業)による生成AI利用動向への影響」「仕事とプライベートの生成AI利用動向の重なり」などといった点で、少しは示唆のある調査になったのではないかと感じています。

読者の皆さまにとっても、多少なりとも気づきのある調査レポートとなっていれば幸いです。

なお、本調査では、性別によるクロス集計なども行っておりますので、ご興味のある法人の方は、お気軽にお問い合わせください。

調査概要

働く人の生成AI利用に関する調査

調査方法 インターネット調査
調査期間 2025年10月16日 - 17日
調査対象者 全国20歳 - 69歳
[本調査]現在、仕事をしている人/生成AIサービスを利用している人
(アイブリッジ(株)「Freeasy提携パネル」利用)
有効回答数 [本調査]400サンプル
※性年代別に均等割付
設問数 [本調査]3問

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