Business&Marketing Column
ハロウィン
ブラックフライデー
猫の日
2023.10.05
10月は、日本でもスッカリ恒例となった「ハロウィン」関連のイベントが開かれる月ですね。
ほぼ4年ぶりのリオープンとなった2023年は、お祭りや花火、ライブなど屋内外のイベントは各地で盛況なようですが...コスプレして渋谷などの繁華街に繰り出す!イメージのある「ハロウィン」の今年の盛り上がりはどのようなものになるでしょうか?
今回は、Googleトレンドによる検索データを元に、「ハロウィン」とその他の主要記念日を比較しつつ、その関心動向や商戦の行方を探ってみたいと思います。
1. 日本におけるハロウィンと検索トレンドの推移
ハロウィン自体の起源は、古く、紀元前の古代ケルト民族の文化に由来します。
日本では、1970年代に、キディランド原宿店がハロウィンを取り上げたのが、その関連イベント・商戦の始まりのようです。
その後、1990年代末には、東京ディズニーランドでハロウィンイベントが開催されるようになっています。
そして...
仮装して渋谷や六本木などの繁華街へ繰り出す様子がTVなどのメディアに大きく取り上げられ、現在のような一大記念日イベントとして注目されるようになったのが、2010年頃のことです。(その行為自体は、もう少し前から始まっていたようですが...)
次のグラフは、キーワード「ハロウィン」「バレンタイン」に関し、ちょうどその頃(2011年)から2022年まで、それぞれの‘イベント月’ごとの検索ボリュームの推移を表したものです。
このグラフでは、2011年時点でほぼ同水準だった検索ボリュームが、2012年以後「バレンタイン」を引き離す形で伸長している様子が見て取れます。
その後、2015年にピークを付けますが...それでも昨年に至るまで「バレンタイン」のボリュームを下回ったことは一度もありません。
現在、最も世間の関心を引き付け、そして、(クリスマス・正月を除けば...)日本で最大の記念日イベント&商戦と言って良いのではないかと思われます。
2. withコロナ。そして、リオープン後のハロウィンは?
2015年以後、減少傾向を示していた「ハロウィン」への関心ですが...新型コロナ流行開始の2020年を底に、再び上昇基調に転じます。
ハッキリした理由は分かりませんが、半強制的な巣ごもり生活の中、‘外で楽しむ’コトへの渇望や、街の様子の比較報道などで関心を高めたものと思われます。
一方で、「バレンタイン」は、異なる様相を見せています。
2020年2月は、ちょうど「ダイヤモンド・プリンセス号」での感染確認の頃。日本でも新型コロナ流行か?の話題にかき消された感もありそうですが...withコロナ3年目の2022年に再びボリュームを大きく減らし、今年2023年もそれほど大きく回復していません。
日本では、チョコレートを渡す日で定着している「バレンタイン」。
...リモート勤務やオンライン授業、黙食などwithコロナスタイルの定着で...職場・学校など人とのコミュニケーション機会喪失・減少が、そもそも大きく影響しているのかもしれません。
では、リオープン元年となった2023年。今年の「ハロウィン」は、どのような盛り上がりを見せるのでしょうか?
それを、もう一つの推移グラフから探ってみたいと思います。
次のグラフは、ハロウィン‘当月の10月’と、その‘前月である9月’の検索ボリュームの並べて表示したものです。
このグラフから、各年とも、9月→10月のボリュームが概ねシンクロした推移を見せていることが分かります。
そして、「2023年9月」の検索ボリュームは、「2022年9月」とほとんど変わりません。
また、今年は、渋谷区長が早くから「ハロウィン目的での渋谷周辺への来訪を控えるよう」要請を出すなど、そのマイナス面もフィーチャーされてきている年です。
“リオープン後初”のハロウィンとしてメディアなどの注目を集めるため...昨年以上の盛り上がりは、おそらく間違いないでしょう...
ただし、上記グラフなどの状況からも、ピーク時の再来のような“お祭り騒ぎ”的なイベント(商戦)にはならないことが予測されます。
今後はきっと、バレンタインなどと同じく、季節の風物詩(当たり前のもの)として、生活者の関心や盛り上がりも再度落ち着きを見せて行くことでしょう。
3. 「ブラックフライデー」最も勢いのある記念日!?
では、近年、最も盛り上がりを見せる記念日(イベント・商戦)とは何でしょうか?
次のグラフは、「ハロウィン」と比較する形で、「ブラックフライデー」のイベント月の検索ボリュームの推移を示したものです。
「ブラックフライデー」は、2016年、一気に検索需要が高まり...その後も、右肩上がりの基調が続くグラフになっています。
特に、コロナ禍の2020年から伸びが加速し、昨年2022年には、「ハロウィン」の約6割のボリュームに達しました。
モメンタム&実体両面から、日本で今、最も勢いのあるイベント&商戦デーと言えるのではないかと思われます。
ココで参考に、「母の日」「父の日」の推移グラフ(ボリュームはハロウィンを基準)も掲載しておきます。
ブラックフライデーは、既にこれらの日を抜いて、多くの関心を集めていることが分かります。
ブラックフライデーはもともと...
アメリカで最も重要なイベントと言われる「Thanksgiving Day[感謝祭](11月第四木曜日)」の翌日のことで、クリスマス商戦の始まりを告げる日(→商店が黒字になる日)を差します。
日本では、なぜか?その「感謝祭」自体は輸入されることなく...2016年に大手流通のイオンが始めた「ブラックフライデーセール」が始まりと言われています。
このため、「ブラックフライデー」は...“記念日”というより、純粋に“商戦のための日”と捉えた方が適切です。
(「バレンタイン」も「ハロウィン」も、もともと商売目的。このあたり、いかにも日本らしいですね♪)
そして、ブラックフライデーは、withコロナで伸びが加速したように...オンライン⇔オフライン(リアル)どちらでの盛り上げも可能!...コロナ禍を経験した今。その安心感から、今後も多様な参入者を巻き込みながら、その勢いを当面持続していくものと考えています。
4. 人気を集める「猫の日」と人気の出ない「犬の日」
「バレンタイン」「ハロウィン」「ブラックフライデー」などのボリュームには、まだまだ遠く及ばないものの...近年、インターネットを中心に関心を集めている記念日がもう一つあります。
それが「猫の日」です。
次のグラフは、「猫の日」の検索ボリュームの推移を示したものです。2016年頃から、徐々に人気が高まっている様子が分かります。
特に、2022年は、「2(ニャン)」が6つも並ぶ「スーパー猫の日」として大きな関心を集め、(大企業を含め)多くの企業が話題に参戦していました。
そして、‘ふだんの’猫の日に戻った今年2023年も、2021年のボリュームを超え、上昇トレンドを継続しています。
一方の「犬の日」。
...「猫の日」のような上昇トレンドを描けず、同じ辺りか(それでも、やや上昇している?)といったところをウロウロしています。
‘飼育頭数’では猫に上回られたとは言え、‘飼育世帯数(≒飼い主数)’では、まだ犬の方が上回っています。
巣ごもりでの‘癒しキャラ’。拡がったニャンコとの人気の格差が、そのまま‘記念日格差’にも。ということでしょうか?...それとも、もしかしてハロウィン翌日という‘日並び’のせい??
とは言え、人気が高まる「猫の日」も、ネット界隈のネタの盛り上がりが中心。本格的な‘商戦’としての盛り上がりを聞くことは、あまりありません。
...もしかしたら、この関心を引き付ける工夫次第で、(ペット業界以外の)企業も新たな金脈が眠っているのかも知れませんね。
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